星々の舟

直木賞受賞作!村山由佳「星々の舟」~暗い闇の中に輝く一条の光

村山由佳さんの小説「星々の舟」を紹介します。

「星々の舟」は第129回直木賞を受賞した作品として注目を集めました。

禁断の恋に悩む兄妹。

人の恋人ばかりを好きになってしまう妹。

居場所を探す兄、そして傷跡を抱えた父…。

それぞれの思いは小さな星のように瞬き、家族という名の舟は大海原を渡る――そんな感動の小説を紹介したいと思います。

●「星々の舟」あらすじ紹介

星々の舟

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物語は6章からなるオムニバス形式で、それぞれの家族の思いを語ります。

暁と沙恵は、血の繋がった兄弟だとは知らずにお互いを想い、そして引きちぎられるようにして別れながらも、未だにその恋を終える事ができずに気持ちを閉じ込め続けています。

妹である美希は、暁と沙恵の関係を知ったことに関係するのか、終わりが見える恋ばかりを続け、結果自分一人傷をかかえ続け…。

兄弟4人やその家族はそれぞれ誰にも言えない傷と痛みを抱え、それでも生きていかなければならないと、必死に呼吸を続けています。

それは兄弟の父である重之でさえそうで、戦争の影をそのままに今を生き続けています。

●悲しい家族の姿

直木賞受賞作品というと、失礼ながら「んん?」と思うような作品もあるのですが、村山由佳さんの「星々の舟」はとにかく読み応えがあって、何度も再読をしたくなるような作品に仕上がっています。

「少し詰め込みすぎ」

といった声もあるようですが、それさえも「家族って、他に言わないだけでそれ位たくさんの秘密があるんだよな」といった考え方も出来るのではないでしょうか。

私にとってはこの「星々の舟」は、「家族」という、ばらばらでありながら離れがたい、星座の輝きを見るような、不思議な「つながり」のようなものを感じる小説であったと思いました。

家

きっかけは、重之の二度目の妻、志津子が亡くなるという悲しい出来事からですが、家族はそれぞれに新たな道を開いた所で終幕を迎えます。

そのほとんどが、希望に満ちた終わり方で「どれ程の出来事があっても、生きなければいけない」といった事を考えされられる終わりになっています。

●自由と孤独を語る物語

以上、村山由佳さんの小説「星々の舟」を紹介しました。

それぞれの物語は一見すると不幸に見えるかもしれません。

それでも、ある章で描かれたように、雨はやがて止み、光が差し込んできます。

そういった、暗いけれど光が見える作品であると感じました。

少々重たい展開ですので、物語をじっくりと読みたい、という気分の時にぴったりの作品なのではないでしょうか。

村山由佳さんの「星々の舟」、ぜひ一度読んでみて下さいね。